Googleタグマネージャの新機能に「環境」と呼ばれる機能が追加されました。
タグマネージャ内で複数の環境を設定できる機能で、サイトを公開している本番環境以外にもテスト環境や開発環境など複数の環境を使用している組織ではこの機能を効果的に活用することでこれまで以上に効率的にタグの管理が出来るようになりました。
今回は新たに追加された「環境」の使い方と本番用・テスト用のGoogleアナリティクスをそれぞれの環境ごとに切り替える設定を解説していきます。
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今回はLive環境(本番環境)とクローズドなDev環境(テスト環境)の2つの環境がある状況を想定して話を進めます。
Dev環境でタグの動作検証を行い、検証にパスしたらLive環境に変更を反映させるフローです。
Googleアナリティクスは本番用とテスト環境用でそれぞれ別のプロパティを用意し、タグマネージャは共通のコンテナを1つ作成します。
これまではタグマネージャにLive用とDev用のコンテナを用意し、それぞれにタグの設定を行う必要がありましたが、今回の新機能「環境」のおかげで1つのコンテナで済むようになりました。
環境の作成
まずはタグマネージャにてDev環境の作成を行います。
Live環境はあらかじめ登録されているので設定作業は不要です。
環境の作成は 管理 > コンテナ > 環境 から行います。
新規ボタンをクリック。
名前を入力し、作成ボタンをクリック。
名前はタグマネージャのヘルプで、Dev,QA,Liveといった名前が一般的な環境名として紹介されています。
分かりやすい名前で登録してください。
Devに公開ボタンをクリック。
キャンセルボタンをクリック。
続いてサイトに貼り付けるタグを取得します。
作成したDev環境から 操作 > コードを取得 をクリック。
こちらのコードをコピーしてDev環境のサイトに貼り付けてください。
これでタグマネージャにはLive環境とDev環境の2つの環境が作られました。
続いてGoogleアナリティクスのタグ設定です。
Googleアナリティクスのタグ設定
まずは組み込み変数から「Environment Nmae」を有効にします。
この変数はその名の通りタグが動作している環境の名前が取得できます。
ユーティリティにある「Environment Name」をチェックして有効に。
先ほどチェックした「Environment Name」が一覧にあることを確認。
続いて、タグマネージャのタグが動作している環境に応じてGoogleアナリティクスのトラッキングIDを切り替えるユーザー定義変数を作成します。
変数のタイプはこちらも先日新しく追加された「ルックアップ テーブル」を選択。
変数の名前は「GoogleアナリティクスのトラッキングID」に、変数を入力が「{{Environment Name}}」となっていることを確認。
Environment Nameになっていない場合は一覧から選択してください。
+行を追加ボタンを2回クリックしてLive環境とDev環境のトラッキングIDを入力できるようにします。
入力に環境名(Live,Dev)を入力し、出力にはそれぞれの環境のGoogleアナリティクストラッキングIDを入力してください。
入力が完了したら保存ボタンをクリックして変数を保存。
最後にGoogleアナリティクスのタグを作成します。
タグのタイプは「ユニバーサル アナリティクス」を選択。
続いてトラッキングIDの入力ですが、ここで一覧から変数を選択します。
変数の一覧に先ほど作成したユーザー定義変数「GoogleアナリティクスのトラッキングID」があるので選択します。
トラッキングIDが「{{GoogleアナリティクスのトラッキングID}}」になっていることを確認。
これでタグマネージャが動作する環境に応じてそれぞれのトラッキングIDでアナリティクスが動作するようになります。
片方の環境だけタグを有効にしたい場合
それぞれの環境で切り替える場合はこれまで説明した通りですが、タグによってはLive環境だけ有効にしたいなど動作する環境を指定したい場合があります。
その場合は、トリガーに「Environment Name」を指定することでタグが動作する環境を指定することが出来ます。
最後に
「環境」の機能を使うことでタグの環境切り替えに伴う手間やコピペミスなどを減らすことが出来ます。
複数環境を管理されている場合にとても有効な機能なので是非ご活用ください。
