リスティング広告を運用する上で、予算は制約条件となります。
私のようなリスティング担当は、クライアントから提示されている予算内で最大限の成果を出さなくてはいけません。
例えば広告代理店のあなたが、クライアントのリスティング広告を運用しているとしましょう。
現在の広告費消化ペースでいくと、月間の広告費が予算を超えてしまいそうなとき、あなたならどうするでしょうか?
手っ取り早い対策は、入札単価の下方調整や、費用対効果が悪いキーワードの停止などでしょう。
ただしこれは非常に短絡的なプロセスと言えます。確かに広告費は抑えることができますが、広告の配信機会が減ってしまいます。
するとユーザーへの接触機会損失となり、取れるかもしれなかった成約を逃してしまう可能性、さらに順位低下によるクリック率低下も免れません。
そこで本記事では、上記のような入札単価調整によるデメリットを回避する為に、入札単価の調整は行わず広告費を抑える4つの方法をご紹介します。
品質スコアを上げる
品質スコア(Yahoo!:品質インデックス)が改善されれば、クリック単価が下がります。
すなわち、広告費が抑えられます。それでは品質スコア改善の為に、品質スコアを決める要素を詳しく見てみましょう。
品質スコアを決める要素は上記のように3つありますが、中でも取り掛かりやすいのが「キーワードと広告の関連性」を高める方法です。
では具体的にどのように関連性を高めるのでしょうか?例えば弊社でリスティング代行をしているハウスメーカー様では、地名をキーワードとして登録し、それぞれのキーワードに地名をタイトルインさせた広告文を用意しました。
予め広告文のテンプレートを作成しておき、キーワードの部分だけ置換するような形で広告文を作成すると効率的です。
このように検索キーワードを広告文に含めることにより、キーワードと広告の関連性も上がるうえ、クリック率上昇も期待できますから一石二鳥の施策と言えます。
検索クエリから除外キーワードを選定する
見込み客となり得ないキーワードを予め除外するのは当然ですが、今一度、検索クエリを見直してみましょう。以下はハウスメーカー様の検索クエリの一部です。
例えば「マンション」というキーワード。住宅を探しているユーザーに変わりありませんから、見込み客になり得ると考え、敢えて除外はしておりませんでした。
ただし「マンション」と検索している以上、「新築戸建て」と検索しているユーザーと比べ成約率は低いと思われます。
こういったキーワードを除外し、確度の高いユーザーに絞って配信し、広告費を抑えるという方法があります。
ただし同時にユーザーにとって機会損失となる可能性がありますから、予算と目標獲得数を考慮しつつ調整していきましょう。
フリークエンシーキャップを設定する
上記までは検索連動型広告の話でしたが、ここからはディスプレイ広告について話を進めます。
Yahoo!ディスプレイアドネットワークでは、リターゲティングやサーチターゲティングなど、一人のユーザーに対し一定期間において複数回アプローチします。
ただし、フリークエンシーキャップとは、同一ユーザーに広告が表示される回数を制限する機能のことです。
日・週・月単位でパフォーマンスレポートを作成し、適切なフリークエンシーキャップを設定しましょう。
フリークエンシーレポートと設定方法はこちらの記事をご参考下さい。
プレイスメント除外設定を行う
Yahoo!ディスプレイネットワークでは、Yahoo!ニュースのようなコンテンツページに広告が配信されます。
しかし配信先のサイトによっては、成約に繋がりにくいものもあります。
例えば、ポイントサイトやギャンブル系のサイト。
これらのサイトを閲覧・利用するユーザーは購買欲が少なく、成約率が低いということが分かっています。
そういったサイトや、商品柄配信したくないサイトのURLを指定して除外することで、確度の低いユーザーへの配信を減らし効率よく広告費を使うことができます。
プレイスメント除外の設定方法はこちらの記事をご参考下さい。
まとめ
冒頭でご説明した通り、クライアントから予算を預かっている場合は、それを守らなくてはいけません。
しかし「広告費のペースが早い→入札単価を下げる」では、確実に成果は減る一方です。
「今やる施策が本当にクライアントの為になるのか」をしっかり考え、PDCAを回していけたらいいと考えております。
