新たにネットショップを立ち上げるにあたり、まず最初に悩むのが「自社ECサイト」を立ち上げるべきか、もしくは楽天やYahoo!ショッピングなどの「ショッピングモール」に出店するべきかの出店場所の判断ではないでしょうか。
将来的に多店舗展開を考えていたとしても、最初の出店場所によりその後の戦略は大きく変わってきます。
今回は、私が実際にネットショップ運営をして感じた「自社ECサイト」と「ショッピングモール」のメリット・デメリットをご紹介します。
集客力
両者の決定的な違いと言えば「集客力」ではないでしょうか。特に、開店直後の集客力には大きな差が見られます。
自社サイト
集客が難しく広告は必須。長期にわたり集客施策を行う必要がある。
開店と同時に広告を出して集客しなくては、まずアクセスは見込めません。
開店直後の集客が上手くいかず、そのまま閉店なんてことも珍しくありません。
また軌道にのるまでは継続的に広告を出していくことになります。「自社サイト」出店には広告出稿も合わせて検討する必要があります。
ショッピングモール
モール自体に集客力があるため、ある程度のアクセスは見込める。
出店するモール・商品にもよりますが、開店してすぐにアクセスが見込めます。
モール自体に集客力があるため、最低限のアクセスは担保されます。
さらに、楽天スーパーセールやYahoo!ショッピングのいい買物の日などモールの大型イベントを活用すれば、アクセスを増やすことも可能です。
安心感・信頼度
「安心感」及び「信頼度」は、初回購入に大きく影響します。両者では初回購入のハードルに違いがみられます。
自社サイト
警戒心を持たれることが多く、初回購入のハードルは高め。
ネットショップでの購入に慣れている人でも、初めて訪れるサイトには警戒心を抱かれることが多いです。
自社サイトでは初回購入の前に、二度の障壁があります。
1度目はサイト訪問時。サイトのデザインによっては訪問してすぐに離脱される場合も多いです。
2度目は購入前。このサイトで購入しても大丈夫だろうか?商品は本物だろうか?セキュリティは大丈夫だろうか?など、お客様は不安だらけです。
そのため、安心感を与えるための施策として運営スタッフの顔出しや分かりやすいショッピングガイドの設置、特定商取引法、会社概要ページの記載内容にも気を配る必要があります。
ショッピングモール
モールという安心感があり、初回購入のハードルは低め。
店舗での購入は初めてでも、モールの他店舗では購入経験があるお客様が多く、不安感を持たれることは少ないと思います。
使い慣れたユーザーも多く、初回購入のハードルはかなり低めです。
自社サイトのように安心感を与えるためのコンテンツを作りこむ必要がありません。
その反面、モールで買ったことは覚えていても店舗名までは覚えてもらえないといったデメリットはあります。
費用
初期費用やランニングコスト、各種手数料など、運営していく上で負担となってくるのが費用面の問題です。
それぞれの特徴を理解し、最適なシステム・プランを選択する必要があります。
自社サイト
モールに比べると全体的に費用は抑えめ。
導入するカートシステムにもよりますが、モールに比べると月額費用が安く、販売手数料やポイント原資などが無く、ランニングコストを抑えることができます。
そのため、モールよりも利益率は高めとなります。
ショッピングモール
売上に応じたロイヤリティ、ポイント原資負担など店舗運営にかかる費用が高め。
一般的に月額費用は高めで、売上に対するロイヤリティや、ポイント原資負担、アフィリエイト手数料等各モール独自の費用が上乗せされます。
ヤフーショッピングは、初期費用・月額費用・売上ロイヤリティが無料(2018年1月現在)ですが、ポイント負担が2.5%~と高めに設定されています。
また、Amazonは初期費用無料でポイント負担もありませんが、販売手数料は他モールに比べ高めに設定されています。
まとめ
自社サイト
メリット
・モールに比べると全体的に費用は抑えめ。
デメリット
・集客が難しく広告は必須。長期にわたり集客施策を行う必要がある。
・警戒心を持たれることが多く、初回購入のハードルは高め。
ショッピングモール
メリット
・モール自体に集客力があるため、ある程度のアクセスは見込める。
・モールという安心感があり、初回購入のハードルは低め。
デメリット
・売上に応じたロイヤリティ、ポイント原資負担など店舗運営にかかる費用が高め。
今回は、「自社ECサイト」と「ショッピングモール」のメリット・デメリットについて「集客力」「安心感・信頼度」「費用」の3つについてご紹介しました。
次回は、「価格競争」「分析」「施策」の3つについて、ネットショップを出店するなら自社ECサイト?ショッピングモール?それぞれのメリット・デメリットとは?<後編>でご紹介します。
