マーケティング施策前の、クライアント理解の重要性と具体的な5つのコツ

新規案件のデジタルマーケティングをすすめる際、あなたは何から着手しますか?

 

事業分析の代表的なフレームワークのひとつに3C分析があります。

クライアントの事業内容を調べる・エンドユーザーを調べる・競合を調べるなど、これらのどれかに着手する方が多いかと思います。

そしてこれら分析対象の中で、もっとも重要なのは「顧客理解」だと考えています。

 

なぜなら、デジタルの発展した現代は、企業が顧客を選ぶ力よりも顧客が企業を選び育てる力の方が強いから。

良いサービスであれば顧客は勝手にシェアをしてくれるため、企業がお金だけで顧客をコントロール出来る時代ではなくなってきています。

 

さらにこの「顧客理解」をすすめるためには、クライアントの事業モデルを徹底的に理解することが非常に重要です。

そこで今回の記事では、クライアントの事業を理解するための方法・コツを紹介します。

 

特に、営業の経験がないマーケターの方、アナログ媒体でのマーケティング活動をしたことが無い方は、この記事を参考にしてみてくださいね。

クライアントの事業を理解する5つのコツ

クライアントのサイトを見る

AXISのサイト詳細

まず1つ目に、クライアント企業のWebサイトを細かく見てみましょう。

例えば、上記の画像の赤枠で囲った部分などを見ていくとよいでしょう。

 

「どんな事業をやっているのか」「過去の歴史」「代表の方のメッセージ」など、これらを見れば、クライアントの事業の全体像をつかめます。

また、サイトへのお金のかけ方、かける場所を見て、企業文化を感じることもできます。

 

ムダに多いアニメーションなどを見れば、少し見栄っ張りなのかなと感じます。

ブログ更新が一年前に止まっていれば、Webを重視していないかもしれない、スポット的な組織文化などを想像することもできます。

 

ソーシャルメディアを運営しているようであれば、公式アカウントや社員さんのアカウントにて、どんな内容をどれくらいの頻度で発信しているかも確認しましょう。

クライアントのスタッフの方と話をする

2つ目に、クライアント企業のスタッフの方と話してみましょう。

 

最初にクライアントと接する際は、マーケティング担当や営業担当、広報担当といった方と話すことが多いです。

各担当の方に、サービスに関する考えを聞けると、会社の目線にたって事業理解を進められます。

そこから施策アイデアが浮かぶことは多いです。

 

同時に、今まで実施してきたプロモーションの結果なども聞くと、次の施策を効果的に練ることもできます。

さらに施策の管理状態を見れば、組織文化を把握でき、クライアント企業の状況にあった提案に繋げられるでしょう。

 

可能であれば、現場の担当者の話も聞いてみます。

すると現場からみえる事業理解や、エンドユーザー理解も進められるでしょう。

泥くさいヒアリングになりますが、クライアント企業のスタッフの方との会話が、多くの施策案を見つけられるきっかけになりますよ。

クライアントの商品を使う

実際にユーザーになる

3つ目に、自分の身銭を切ってクライアント企業のサービスを使ってみましょう。

自分のお金を使うことで、自分自身がエンドユーザーとして、クライアント企業を見られるようになります。

 

「サービスのここが良かった」「ここは改善点かもしれない」

こういったマーケティングのネタは、自身がユーザーとしてサービスを利用することで多く見つけられます。

 

一方で、住宅販売やBtoBの大型設備など、クライアント企業のサービスを使えないこともあるでしょう。

そんな時には、展示会場に行く、導入現場を見ていく、そんな行動をすることで代替しましょう。

 

クライアントのWebサイトを細かく見て、クライアントのスタッフの方と話をして、その上で実際にユーザーとしてサービスに触れることで、深い理解と改善案につなげられるのです。

机上の空論にならないためにも、徹底的にサービスに触れてみましょう。

営業の方の話を聞く

4つ目に、クライアントの営業担当の方と話をしましょう。

営業担当の方は、エンドユーザーの声を最も多く知っている人です。

 

どんなトークをすればお客さまが響くのか、購入前にお客さまはどんな意思決定プロセスをとるのか、よく聞かれる質問などについて聞いておきましょう。

今までに営業で上手くいった経験、大変だったこと、大きなトラブル事例、うまくいった思い出深い成功事例なども知っておくといいでしょう。

営業の方の経験を通して知ったクライアント企業の情報は、マーケティングで必ず活かせます。

エンドユーザーに話をきく

5つ目に、もっとも重要な顧客の本当の悩み・姿を知るために、エンドユーザーの話を聞きましょう。

  • いつクライアントのサービスを知ったか、どんなタイミングか
  • なぜクライアントのサービスを利用することにしたのか
  • 購入前に他にどのようなサービスと比較をしたか
  • サービス利用にあたって、どんな決済プロセスがあったか
  • 使って良かった点、残念だった点

これらを聞くことで、クライアントサービスの理解ができ、業界内での立場や必要性が分かり、エンドユーザーの考え方を知る事ができます。

一般的には、5人にヒアリングすれば課題の80%はカバーできると言われているので、5人を目標にヒアリングを進めてみましょう。

まとめ

今回の記事では、クライアントの事業を理解するコツを紹介しました。

デジタルマーケティングに取り組む際に大切なことは、エンドユーザーの目線にたって施策を組み立てることです。

そのためには、エンドユーザーを理解すること、その前段階としてクライアント企業を理解していきます。

 

デジタルマーケターは、事業理解をWeb上だけで完結しがちですが、Webだけでの調査には限界があります。

クライアント企業のスタッフの方と話をして、エンドユーザーにヒアリングの機会をいただきましょう。

さらに、自分が身銭をきって商品を使って、クライアント企業のサービスを体感することで、はじめてスタート地点に立てるのです。

 

「デジタル」マーケティングといっても、エンドユーザーへの最後の接点がデジタル空間にあるというだけで、本質的にやっていることは従来と何も違いはありません。

デジタルマーケティングは、表では華やかな業務に見えますが、裏では泥くさく足を使って調査をする必要があります。

こんな視点をもってマーケティングを行ってみてくださいね。