ウェブサイト分析は3つの視点で見よう!仮説に繋がるデータ解析の基本

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突然ですが、あなたが上司から「うちのサイトを解析して」と頼まれたらどうしますか?

「解析といっても、具体的にどうしたらよいか分からないよ・・・」

なんて思っている方も多いかもしれませんね。

 

ウェブ解析をする上で、まず大事なのは「何のために解析をするのか」という心構えです。

事前の目的設計とも言えますね。

 

何を目的としてデータと向き合うのか。この解析目的を果たすためには、どのデータをどのように見る必要があるのか。

そして評価はどのようにするのか。

こんな順番で解析する目的を明確にした上で、データに向き合っていきます。

 

 

ところで、みなさまはウェブ解析と聞いてどのようなイメージを持ちますか?

ある人は、統計的な知識を使って分析みたいなイメージを持っており、実際、統計的な手法も使うことがあります。

しかし、今回お伝えしたいのは、基本でありながらどんなシーンでも使える3つのデータ確認方法です。

 

  1. 大きな視点から小さな視点という順番
  2. 過去データと比較してギャップに着目
  3. データは点でなく線でとらえる

 

そこで、この記事では、サイトの特徴を把握するためのデータの分析方法を順番に解説していきます。

ぜひサイトを解析する際は、ぜひこの3つのポイントを押さえて分析してみてください。

きっとあなたの分析の質が向上し、仕事での評価も上がるかもしれませんよ!

ポイント①データを見る順番は、大きな視点から小さな視点

いきなりデータを見ても何の仮説も生まれない

データ解析の最初のコツは、大きな視点(マクロ)から小さな視点(ミクロ)に向かって情報を見ていくことです。

いきなり1セッションなどの動きを見ても、そこから仮説を立てるのは難しいです。

しかし、現実には Google アナリティクス の管理画面を開いて、雰囲気で理解して、リスティング広告で使う出稿キーワードを考えていませんか?

きっとただGoogleアナリティクスを見ても、おそらく何の仮説も作れないと思います。

最初から、小さな視点(ミクロ)で見てしまうと、何を見たかったのか分からなくなってしまいます。このようなケースは、分析に詳しくなった中級者レベルでも起こります。

マクロの視点で傾向を掴み、ミクロに絞り込んで仮説を立てる

分析する時は、大きな部分(マクロ)からおおざっぱな傾向を掴み、細かい部分(ミクロ)に絞り込んで見ていく視点を意識してみてください。

 

例として、リスティング広告を分析する場合を考えてみましょう。

  1. STEP

    全体を把握する

    サイト全体のアクセス数を大きな視点で把握します
  2. STEP

    セグメントごとに把握

    リスティング広告 からの流入をセグメントで分けて、アクセス数を把握します
  3. STEP

    キャンペーンごとに把握

    キャンペーンごとにアクセス数を把握します
  4. STEP

    広告グループ等で把握

    最後に、広告グループ、キーワードごとの CV 数を見ていきます

このように、大きな部分から細かな部分に絞り込んでいく(ドリルダウン)していけば、きっと課題に気付けるはずです。

 

Google アナリティクスの分析方法

大きな視点から小さな視点で分析する

次に、Google アナリティクスのデータを分析する場合を紹介します。

まずは大きな視点で、流入元の種別(Default Channel Grouping)を見ていきます。

すると、 Social (SNSなどからの流入)が4番目に大きなボリュームを占めていますね。

 

そして時系列で見ていくと、Socialが占める割合が徐々に増えて来ているとします。

では、Socialの中でも、特にどのソーシャルメディアが訪問者の増加に寄与しているのか分析するといいですね。

 

このように、大きな視点から、絞り込んでいくと、仮説が見つかります。

仮に、最初から右側の図だけを見ても、文脈がないので、おそらく何も分かりません。

 

どのような順番で見ていくかは非常に重要なポイントです。

マクロな視点から、ミクロな視点を見ていくことを意識してください。

 

ポイント②過去データと比較してチェック

過去の時間軸データと比較する

2つ目の視点として、ある期間のデータを見る時、同じスパンの過去データと比較する視点があります

今年と昨年を比較してもいいですし、施策を実施したのなら、施策前後でもよいでしょう。

 

例えば、今週1週間で30件の成果が獲得できたとします。

この時、先週は何件の成果が獲得できたのか。もう少し遡って、先月の同じ週はどうだったのか。

さらに遡って、昨年の同時期はどうだったのか。

このように、「過去の時間軸と比較」していく分析手法です。

 

過去データと比較することで、課題と仮説が見えてくる

ウェブ上の1週間のログデータは、先週、先々週、先月、昨年などと比較してはじめて意味があります。

良い結果であれ、悪い結果であれ、その結果の原因が一部でも推定できれば、その後の対策も浮かんでくるはず。

結果に対して施策ができてこそ、データ解析する価値が出てきます。

 

例えば、今週30件の成果が獲得できたとします。

この事実だけだと、この事実が良いのか悪いのか、意味付けできません。

過去の同期間と比較して、データを対比することで、今週の獲得件数30件が良いのか悪いのか、もしくは変わらないのか判断できます。

 

過去の同じ期間のデータと比較をする、この視点をつかってみてください。

なお、過去のデータと比較する際には、大きな市場変化や競合の変化がないかどうかは確認しておいくてださい。

 

ポイント③データは点でなく線でチェック

データは、前後の流れ(トレンド)で見る

データのトレンド

三つ目のポイントとして、データをその瞬間の点ではなく、過去からの一連の流れ(トレンド)としてチェックする視点を紹介します。

 

上の図をご覧ください。

あるサイトの今日のページビュー数が400だったとします。

さて、400pvは良いか悪いか分かるでしょうか? きっと判断できないはずです。

 

ここで、下側のグラフのように1週間のスパンでデータを見てみましょう。

すると、400pvが多いのか少ないのか、判断できるようになりました。

このように、データは点ではなく線として、大きな流れで推移を掴むことが重要です。

 

ある期間の平均から、データの良し悪しを見る

あるサイトの訪問者を過去1ヶ月で見ると、1日辺りの平均サイト訪問者数が1,000人だったとします。

昨日のサイト訪問者数は、1,200人でした。

すると、昨日のサイト訪問者が多いか、少ないのか判断できますよね。

 

さらに移動平均線を使えば、トレンドとして右肩上がりで訪問者数が増えているのか、流れとしては右肩下がりなのか、はたまた横ばいなのか、のように傾向を捉えられます。

 

今日のサイトへの訪問者数は1000人。

仮に、1ヶ月前には平均的に800人/日だったとします。そこから SEO 対策を開始したことで、訪問者数は増加。

この800人/日→1000人/日という流れの中で、今日の訪問者が1000人であれば、SEO対策はうまく行っていると判断できますよね。

 

このように、データを点ではなくて線でチェックし、傾向を掴むことで施策の評価できます。

日々のデータを、単純に良い悪いで判断せず、良い方向に向かっているのか、悪い方向に向かっているのか、それとも横ばいなのかといった具合にトレンドをチェックしてみましょう。

 

トレンドが急に変わった時は、原因を調べよう

あるとき、順調に推移していた右肩上がりのトレンドが急に横這いになったとします。

このような潮の変わり目には、何が起こったのかを把握しましょう。

 

自社要因であるホームページのリニューアルや、ウェブ広告の取りやめなど、何か思い当たる節はありませんか?

もし思い当たる節がなければ、外部要因であるライバルの出現やSEOでの検索順位の低下、法律改正、メディア掲載などが理由かもしれません。

このように、データのトレンドが変わった際は何が起こったのかを確かめることで、仮説を持って対策を打てるようになります。

この記事のまとめ

ここまでデータ解析をするときの3つの重要な視点をお伝えしました。

その3つの視点は、以下でしたね。

  1. 大きな視点から小さな視点という順番
  2. 過去データと比較してギャップに着目
  3. データは点でなく線でとらえる

 

もしああなたがデータ分析をする際は、ぜひ今回お伝えした3つの視点を意識してみてください。

そうすることで、サイトの課題解決につながる仮説をきっと作れるはずです。