株式会社センサスヤマモト

これほど売れるのかと驚きました。BtoB企業が通販サイトを立ち上げた結果とは

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業界・業種
工業用計測機器などの卸販売
感じていた課題
Webからお客様を集め販売する仕組みがなかった
支援結果
BtoB向けのECサイトを立ち上げ。会社の1事業になるまで成長中
提供サービス
Web集客改善コンサルティング、ホームページ制作、リスティング広告運用代行

話し手:株式会社センサスヤマモト
 業務課 課長 宮前 拓地 様
 業務課 主任 鍋島 久貴 様

聞き手:株式会社アクシス
 コンサルティング部 松井 南人


ー御社のビジネスについて教えてください。

宮前:センサスヤマモトは、今年57期目になる工業計測機器の卸販売を行う商社です。主力商品の圧力計ほか、バルブや弁類、ポンプなどを取り扱っています。主な顧客は、エネルギーやインフラ系の企業や大手企業様などですね。

弊社は、日本で2社しかない長野計器公認の在庫センターです。長野計器は、電気を使わない「機械式」の圧力計メーカーで、世界トップクラスのシェアを持っています。

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長野計器の製品は何百万の種類があり、基本的には受注生産であるため、納期が1ヶ月ほどかかります。しかし現場では、すぐに新しい圧力計が必要になることもありますよね。そこで私たちが1万機種ほどを在庫として持っており、最短で当日には発送しています。

また計測機器は、測った結果が正しいかどうかを証明する「校正」が必要です。通常、メーカーの技術部門などが出荷の際に行いますが、どうしても1ヶ月ほどかかってしまいます。弊社では在庫品に対して校正を行えるため、最短で2~3日で出荷できるのが強みですね。

記事を書いてWeb集客はできたが、受けられる社内体制ができていなかった

ーWeb集客に関して、どのような課題があったのでしょうか。

宮前:弊社は長野計器の代理店ですが、時に同じ代理店さんがお客様になることがありました。メーカーに発注すると納期まで時間がかかるため、急ぎの注文に対しては弊社をご利用いただいていたからです。

最初は社名を隠して出荷していたため、まさに黒子のような存在でした。ただ校正のニーズが高まると「センサスヤマモト」として証明書を出す必要であるため、徐々に社名を出して出荷するようになりました。

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社名を出して校正を始めると、次第に「校正できること」が弊社の強みであると分かりました。弊社では、すぐに見積もりについて回答できますし、圧力計を送ってもらえば今週中には校正が完了できます。私たちは当たり前だと思っていましたが、お客様からは「とてもありがたい」と言われるのです。

そこで2015年頃からは、Webを使って校正で困っている方を集めて、校正の仕事が受けられないかと、圧力計に関する記事を書き始めました。ニッチな商品で取り扱っている会社も少なかったので、すぐにSEOの効果は出て、お問い合わせが来るようになりました。

とはいえ、いざお問い合わせが来ると、決済や調整でかなり手間が発生してしまい、社内でもあまり意欲的でない雰囲気になってしまいました。また既存の販売ルートとの兼ね合いもあり、慎重に進めるべきだという声もありました。

とはいえ、弊社社長もぜひやっていきたいとの思いがあり、仕組みを整えてWeb集客を強化していくことになりました。

アクシスの決め手は「話を聞いて、とてもワクワクした」から

ーアクシスを知ったきっかけは何でしたか。

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宮前:Web集客ができる会社を調べている中で、銀行さまの紹介でアクシスさんを知りました。2015年8月ごろにオフィスに伺い、代表の臼井さんとお話しました。

打ち合わせで印象的だったのは、自社の強みがクリアになったこと。私たちは業務課の人間で、競合と比べた自分たちの強みをあまり考えたことがありませんでした。打ち合わせでは、ていねいにヒアリングいただき、ECサイトを作る上でどのように強みを見せていくかブラッシュアップさせていきました。

ーアクシスを選んでいただいた理由は何があったのでしょうか。

宮前:最初に私たちが考えているより大きな話になり、とてもワクワクしたのですよね。また弊社の営業など社内の人間も巻き込み、各部署との調整もしてくださったので、頼まない手はないと思いました。そこで、Web集客についてご支援いただくことにしました。

複雑な要件を満たすBtoB企業のECサイト制作

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ーどういった部分からお取り組みを始めたのでしょうか。

宮前:当初はコンサルティングだけお願いする予定でしたが、話をする中でECサイトの制作の話にもなりました。ECサイト制作は高いと言われましたが、「それでもお願いしたい」と思い、コンサルティングと一緒にお願いすることにしました。

鍋島:そこからはヒアリングを何度かいただき、具体的な話に落とし込んでいきました。例えば、メインビジュアルに何を載せるのか、商品ページにどういった情報を掲載するのか、といったことです。当時はノウハウも無かったので、情報をどのようにまとめるかの部分で結構苦労しましたね。

宮前:カタログの内容をどのようにECサイトで表現するかは、かなり議論しました。例えば、「圧力計を選ぶ→数量→証明書をつけるか?」のフローでは、発行される書類の部数が製品によって異なり複雑です。圧力計によっては校正できるもの、できないものもあります。今まで技術者の頭の中にあったものをデータに落とし込み、何度もシミュレーションして仕組みをつくっていきました。

鍋島:当初はASP型のショッピングカートシステムを使う予定でしたが、私たちの複雑な要件を満たすためには機能が足りなく、アクシスさんと協議した結果、EC-CUBEをカスタマイズして使う形にしました。

宮前:議論する中で、アクシスの高橋さんからは、はっきりと意見をいただき勉強になりました。AとBを迷った時に、「お客様目線だと、Aはやめたほうがいいですよ」といったことです。

ーECサイトを制作する上でこだわった部分はありましたか。

宮前:弊社の強みである「校正付きで、在庫がすぐに手に入ること」をしっかりと伝えることですかね。

鍋島:商品点数が1万点以上あるので、絞り込み機能をつけて、探している商品を見つけやすくする工夫なんかもしました。

週1件目標だったが、1日1件注文が入るようになった

ーECサイトの公開後には何か反響はあったのでしょうか。

宮前:ECサイトを公開する前は「週に1件くらい売れたらいいね」と話していました。2016年12月に公開したところ、すぐに週1件くらい注文が入るようになりました。2017年1月からはWeb広告を始めたところ、すぐに2日に1件、さらには1日1件まですぐに伸びて、「これほど売れるのか」と驚きましたね。

現在、ECサイトからの注文が増えて、1事業にまでなりました。社内からも「そんなに売れるんだね」との声を聞きます。

地道に改善した結果、広告よりも自然検索からの流入が増えた

ーサイト公開後はWeb広告とコンサルティングを利用いただきましたね。どういった取り組みをされたのでしょうか。

宮前:Web集客を始めて驚いたのは、Web広告は思った以上に費用がかかることでした。1年目は採算が合わなかったですが、コンサルティングを通じて改善点を見つけ、その都度改善を積み重ねていった結果、今では採算も取れるようになっています。

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鍋島:具体的には、リスティング広告で反応がよいキーワードをもとに、SEOとしてブログ記事を書いていきました。次第に流入元が広告から自然検索に変わってきて、費用対効果も改善されています。

宮前:当初から「ブログは書いてください」と言われていましたね。ネタを見つけるのが難しく大変でしたが、鍋島君と一緒に記事を書き続けましたね。

松井:コンサルティングでお客様に「ブログを書きましょう」と提案しても、なかなか進まない場合もあります。しかし、センサスヤマモト様はかなり記事を執筆いただき、現在では広告より自然検索からのアクセスが多い状況です。他のお客様にも、よくお話させていただいています。

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宮前:私と鍋島君は「どうにかして売上をつくりたい」という気持ちが強かったので、きちんと記事を書くようにしていましたね。

鍋島:ブログの記事執筆のほか、ECサイトの改修も進めました。コンサルティングの際には、改善案をご提案いただくので、自分たちの肌感も交えながら、必要な施策をお願いした形です。

例えば、圧力計の校正に関する記事がよく検索されていました。そこで、その記事の見やすい位置に、校正サービスへのバナーを設置しました。そうすることで、ブログに来たお客様がECサイトに誘導できるようにしています。

またWebだけではなく、新規で製品を購入いただいた方に、製品と一緒にチラシを同封してサービスを知ってもらう工夫なんかもしています。

宮前:運用をお願いしているGoogle広告では、新しい広告施策を試してくださっています。最初の頃に比べ、バリエーションも増え変化しています。成果を考えて運用いただいているな、と感じています。

新しいサービスを開発し、前年比200%で成長中

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ーWeb集客改善コンサルティングを受けて、他にどんな変化がありましたか。

宮前:コンサルティングを通して、新しいサービスを立ち上げました。その背景として、粗利を伸ばさないと経費を捻出できないので、アクシスの松井さんと粗利を稼ぐ方法について考えました。相談する中で、サプリメントの定期販売に関する販売モデルの話を聞きました。そのモデルに着想を得て、「預かり品校正サービス」を始めることにしました。

校正サービスは、利益率も高く、一度依頼があれば継続します。それなら仮にライバル企業が増えて、新規販売が伸び悩んでも、母体の利益を増やしていけます。現在、この校正サービスは前年比で200%のペースで注文が増えています。

鍋島:大手通販サイトが圧力計のラインナップを増やしており、弊社が生き残るためには新規販売でなく、強みである校正サービスを打ち出したほうがよいと思ったのです。そこで訴求も、「校正・再校正できる」ことに変更しました。その訴求が当たり、結果にも繋がっています。

結果が伸び悩む時も、期待以上に考えて提案してくれる

ーアクシスに依頼してよかったことはありますか。

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鍋島:一番良かったのは、アクシスさんの熱意に引っ張られて、私たちの意識も高く保ち続けられていることです。また弊社の業界はITやDXに対して遅れており、企業として弱い部分でもあります。今はその分野に強いアクシスさんが付いて、カバーいただいているように感じます。もしかしたら畑違いになるかもしれませんが、何か困ったときには、その都度相談させていただけたらと考えています。

宮前:コンサルティングを受けていても結果が伸び悩む時はあります。そのような時でも、アクシスさんは期待以上に考えてくれていると、提案資料を見ると伝わってきます。こちらが依頼していない部分にも、先手を打ってやっていただけています。費用がかかっているので当たり前なのかもしれませんが、いつも顧客第一に対応いただけているなと感じますね。

ー今後アクシスに期待することはありますか。

宮前:これまで圧力計だけでしたが、営業の新しい戦略として、ポンプについてもWeb集客を進めようと、アクシスさんにホームページ制作や広告運用をお願いしています。他の商材にも横展開できれば、より他社との差別化が進むと感じています。引き続きお力添えいただけると嬉しいです。

鍋島:正直、現状でも満足していますが、圧力計のECサイトはある程度できあがってきて、頭打ちしていくようにも感じています。次の段階に進む際は、既存サイトの改善にとどまらず、サイトの構築やサービス自体をつくっていくところまでアドバイスいただけたらと思っています。

取材協力:株式会社センサスヤマモト

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