株式会社アンフープ

「これってお客様に響くんだ…!」支援を通して初めて気づいた自社の強みとは。オンライン英会話のプロモーションの取り組み

業界・業種
オンライン英会話サービス事業
感じていた課題
事業のプロモーション全体を任せられるパートナーが欲しかった
支援結果
自社の強みや訴求点を設定し、お客様へアピールできるようになった
提供サービス
QAサポートサービス、Web集客改善コンサルティング、リスティング広告運用代行

話し手:株式会社アンフープ
 CTO(最高技術責任者)関野 洋一郎 様
 プロモーション担当 片田 梨沙 様

聞き手:株式会社アクシス
 コンサルティング部 松井 南人
 コンサルティング部 川村 奈央


ー御社のビジネスについて教えていただけますか?

関野:株式会社アンフープは、日本人向けにフィリピンの講師と1対1での通話を提供するオンライン英会話の会社です。現在、ビジネスパーソン向けの「HanasoBiz」、一般向けの「hanaso」、子ども向けの「hanaso kids」の3つのサービスを展開しています。

アンフープは、建設業向けのパッケージソフトウェアを開発・販売している「建設システム」(KENTEM)という会社の新規事業の1つとして生まれました。

新規事業を検討していた中で、「これからオンライン英会話は将来性があるのではないか」とのアイデアが出てきて、市場調査をしたところ自分たちでもチャレンジできそうだと手応えを感じ、事業化しました。

親会社がソフトウェア開発会社なので、サービス自体も自分たちで作っています。大手競合サービスとは異なり、直接お客様の声を聞きながら柔軟に対応でき、信頼を得られるのが強みですね。

 ー「hanaso」らしさや、競合他社さんとの違いはどんなところでしょうか?

片田:オンライン英会話サービスが多くある中、弊社の一番の強みはカリスマ英語講師・関正生先生が教材を監修していることです。最近は、その点を前面にプロモーションしています。また、お客様からは講師の質が良いというお声をいただいています。

関野:関先生の監修は、他社に真似できない部分でしょう。関先生を知っている人にはきっと刺さると思うんです。教材を監修していただき、レッスンで学んだフレーズを復習するオリジナルの「hanasoメソッド」などを売りにしていこうと進めていきました。

プロモーションを任せられる存在が欲しかった

ーどのような経緯でWeb集客について相談したいと思われたのでしょうか。

片田:もともとhanasoのプロモーションをメインで担っていた方が、KENTEM(親会社)へ異動されたんです。それまでは、私はシステムまわりを担当していたのですが、その方が急にいなくなって自分がプロモーションも兼務することはリソース的にとても無理そうでした。

それで、全般的に事業に携わっていた関野に相談をしたところ、プロモーションを外部にお願いすることになり、Web集客を一緒にやってくれる会社を探し始めました。

最初はBtoB向けの「HanasoBiz」だけというよりは、プロモーション全体を相談できるところを探していましたね。

 ーリソース不足のほかにも、何か感じていた課題はありましたか?

関野:会社が成熟期に入ってきて、Web広告の出し方にも悩んでいました。

昔と同じやり方をしても、広告のCPA(顧客獲得単価)ばかりが上がっていくのを見て、適切にお金を使えてるのかと疑問がありました。

Google広告も結構お金がかかりますが、実際にCPAがどれぐらいなのか、獲得効率はどのくらいかが計測できていませんでした。せっかくお金を使うのであれば、プロの方の意見を聞いて、費用対効果を考えながら集客の手法を一から見直したいと思っていたんです。

同業大手と同じ土俵に上がってしまうと、弊社は資金力も人的リソースも全然足りません。しかし、諦めるのではなく、我々だからこそできるような集客の仕方を、プロの方とも意見を交えながら、見つけたいと思っていましたね。

 ーアクシスをどうやって見つけましたか。また、依頼してくださった決め手は?

片田:比較サイトなどを参考にしつつ、いろいろなWebコンサル会社のサイトを見ました。そこでアクシスさんのサイトにもたどり着いたのですが、そのトップページに書かれている「御社ではこんなお悩みありませんか?」の内容に弊社が全て当てはまったんですね。Webサイトも見やすかったので、すぐにアクシスさんを候補に入れました。候補は全部で5社(うち3社が都内の会社)でした。

関野:Excelで表を作って5社を並べて、費用やサービス内容をヒアリングしました。あとは実際に話して、コミュニケーションのしやすさも重要視しましたね。アクシスさんは大手のオンライン英会話をご支援した経験があるとのことだったので、業界のことを少しは知っているのかなとも思いました。

片田:アクシスさんは、提案時の資料がきれいでわかりやすく、話しやすかったのが印象に残っています。最終的には、資料の見やすさと、業界への理解が決め手となって、アクシスさんに依頼することにしました。

しっかりと訴求点を設定してアピールができるように

ー最初の3 ヶ月で行ったサイト改善の取り組みはどのようなものでしたか?

片田:ちょうど年末年始を挟んだこともあって、最初の1ヶ月間は、アクシスさんのほうで調査をいただいていました。実際に打ち合わせが始まったのは、2ヶ月目ぐらいからでしたね。

松井:社内で議論してオンライン学習について理解を深めようと、社員の何人かに協力してもらい、他社の英会話の体験レッスンを一通り受け、スプレッドシートや比較表にまとめていきましたね。打ち合わせでは、ディスカッションが多かったですね。ペルソナ、ターゲット、また本当に打ち出すべき強みなどをディスカッションしました。

片田:松井さんのレポートには弊社と他社の比較がまとめられており、率直で厳しいご意見をいただきました。サービスの内容は大差ないものの、弊社からお客様へのフォローメールがないこと、レッスンや講師を選ぶ際にわかりにくい部分があるなど、細かくご指摘いただきました。今はまだ修正できていない部分もあるので、今後改善できたらなと思っています。

関野:他社との比較は新鮮な意見でしたね。 

片田:「HanasoBiz」はもともと改善の余地があるなと感じていたので、レポートを見て、「やはり、そうですよね…」と感じました。 

ー取り組みを進める中、サイトの方向性や見せ方などで感じたことは? 

片田:もう何も言うこともないぐらい完璧なワイヤーフレーム(Webサイトの設計図)でしたね。何も調整をお願いしなかったと思います。1ヶ月でそういう状態を作れたのは大きかったですね。たぶん1から作ったら2、3ヶ月はかかっていたと思うので、リソース的にはかなり助かりました。 

関野:もともと「HanasoBiz」は、BtoB向けだけだったんですよ。ただBtoC向けに転向することになり、Webサイトも無理やりBtoC化させたので、見せ方が狙いと違ったページになっていました。

なんとかしなくてはいけないと思いつつも、改善するためにはリソースも必要ですし、訴求点を何にするかといった上流工程から設計して実装するのは時間がかかります。

なかなか手をつけられなかったその部分を短縮してもらい、実際の制作部分だけ自社で実装したので、とても助かりましたね。おかげで、しっかりお客様に対して訴求点を設定した上でアピールができるようになりました。

片田:「10万人に選ばれている」というフレーズは、自分たちでは思いつきませんでした。でも「これって響くんだ…!」とあらためて強みに気付きました。

松井:強みの見せ方の部分はけっこう悩んだ記憶がありますね。オンライン英会話の強みとして、ある程度の認知がある「hanaso」が母体であることは打ち出せるのではないかと考えていました。

関先生の監修したビジネス版ということで、意識が高い人に非常にマッチするであろう部分をサイトのファーストビューに配置して訴求できたことで、今の形になっています。

サイトにある「腕試しテスト」もそうですね。単に「無料体験」という訴求は、他社さんにもありますが、ユーザーが腕試しをすることでリード(見込み顧客)も獲得できるし、自分のレベルやおすすめのコースがわかるので良いのではないかと社内で話をして、落とし込んでいきました。

「腕試しテスト」では、自分の英語力にあったカリキュラムやレベルを見つけることができる

コンバージョンの“見える化”で改善点が明確になった

 ーGoogle広告に関してはどんな取り組みをされましたか? 

片田:まず、昨年12月に前任からGoogle広告を引き継いだのですが、そもそも何をやってるのか、土台もわからない状態でした。関野にも相談し、年末年始に試しに広告を出稿して成果を確認して…という感じで進めていました。

そのときにバナーを変更して広告を出稿したんですが、あまりいい成果が出なかったんです。それで「自分たちでやるのは無理だ」と感じ、お願いすることにしました。アクシスさんにはGoogleの広告アカウントの新規構築や、GA4(Googleアナリティクス4)のサポートなど、全然わからないところから教えていただいたりして、とても助かりました。

川村:広告運用に関して、最初はCVポイント(広告のゴール地点)の設定ができていない状態だったので、その設定からまず取り組みました。

広告の予算配分に関しても、コンバージョン率が高い部分に予算を割けていなかったので、広告アカウントの構造を改めて整理して構築させていただきました。

また、「オンライン英会話」というキーワードだと、どうしても競合の入札が多く、クリック単価が高いため、結果的に獲得単価が上がってしまうことが見受けられました。

そこで、もしかしたら海外在住の日本人の方にも、安価で出来るオンライン英会話は需要があるのではないかと思い、海外駐在経験のある上司に相談したところ、需要は確かにありそうだったので外国に向けて出稿することにしました。

結果としては同じように出稿する競合は少なかったため、クリック単価や獲得単価を抑えることができました。

片田:広告アカウントを分析して改善していただき、わかっていなかった部分も知れました。特に、コンバージョン数がきちんと追えるようになったことが大きかったです。今まで広告を出してきたもののその後の分析や改善に時間を割けていなかったのですが、「こうしたらもっと良くなるよね」という部分が見えてきました。 

広告画像もおそらく5、6年前に設定してからずっと放置してたのですが、久しぶりに運用画面を触って「今は画像に追加して、こんなに広告文を書けるんだ」と変化を感じましたね。

ー弊社の担当の対応はいかがでしたか? 

片田:川村さんが担当者として来てくださって、的確にアドバイスをくださいました。

社内で意見が割れることも多く、プロモーションのメインとなる人間がいなくて判断ができなかったときに、ご相談できたのはすごく大きかったですね。特に、プロモーションについては誰に相談してよいのかわからないので、とことん質問させていただきました。

関野:社内で意見が割れたときに、第三者というか客観的な意見を出してくれる人がいると、物事が決まってきて進めやすい部分もあるので、とてもありがたかったです。

ビジネスモデルの実現に向けてスタートが切れた

 ー弊社のサービスを導入して効果はありましたか?

関野:ホームページに訪れてもらい、無料体験をしてもらって、ステップメールが動いて受注するという仕組みができました。入会人数は増えてきているので、その流れをもう少しブラッシュアップして、ちゃんと訪問者数や体験登録のコンバージョンを増やしていけば上がっていく見込みは感じています。これはアクシスさんに協力していただいたからこそだと思っています。 

片田:ウェブサイトはもともと法人向けで、法人サイトの中に入っていくと、一般の方も利用できる構成でした。それで良しとしてしまっていたところを、ご協力いただいてリニューアルできたのがすごく大きかったです。「hanaso」を利用しながら「HanasoBiz」も使ってくださる方も出てきました。

「hanaso」の見込み顧客にもメールを送ったり、ビジネス英会話がありますよと伝えたり……。BtoC向けにやっていることが伝わりやすくなって来てくださったのかなと感じています。なので、今後も期待したいですね。

ー社内の方からはどんな声が上がりましたか?

関野:ページ自体はBtoC向けに変わってとても良くなり、社長にも「サイトいいね、見やすくなったね」と言ってもらえました。BtoBからBtoCでは全然違いますからね。

片田:Google広告でもきちんと利益が出てたんですよね。当初は体験レッスンのコンバージョンしか取れていなかったのですが、アクシスさんが入会のコンバージョンも見られるようにしてくださって、利益が出ていることがわかり、「Google広告良いじゃない!」となりました。とはいえ費用はかかるので、スケジュールを組んで進めたいですね。

ー今後アクシスに期待することがあれば教えてください

片田:QAサポートサービスですね。アクシスさんのセミナーも無料で視聴できるのは嬉しいし、ありがたいなと思います。あと、BtoBの「HanasoBiz」のほうでもホワイトペーパーの制作などを検討しているので、依頼できればと思っています。

川村:弊社はもともとBtoCが多かったのですが、今はどちらかというとBtoBのデジタルマーケティングを支援しているケースが多く、いろいろとご提案をさせていただいています。 

ペルソナやターゲットを決めて、ホワイトペーパーなどのコンテンツも一緒につくっていきたいと思います。引き続きよろしくお願いします!

取材協力:株式会社アンフープ

※掲載内容は、取材当時のものです。