マーケティングやネット広告業界にいるとよく耳にする「ネット」と「グロス」という言葉。
あなたはその意味を正しく理解していますか?
実務の中でも、
- この広告費ってネットとグロスのどっち?
- Google広告とFacebookで広告の運用手数料(マージン)が違うから、純粋に CPA を比較するときはネットで比較してね
...なんて会話が時々あります。
ネットとグロスの意味の違いを正しく理解しておかないと、広告代理店とのやり取りで間違った判断をしてしまうことも。
そこで、今回はインターネット広告におけるネットとグロスの違いについて、紹介していきます。
「どっちがどっちか忘れちゃったな・・・」なんて思った方は、これを期に正しく意味を理解しておきましょう!
ネットとグロスの意味
ネット:実際に広告費として使った金額
ネット(net)とは、インターネット広告で「実際に広告費として使った金額」を指します。
英語において、netは「正味財産、純財産、純資産」の意味があります。
広告においては、広告を配信するためにかかった費用(原価)のことです。
一般的に、広告代理店が「広告費用」と呼ぶのは、このネットを指すことが多いです。
ちなみに、インターネットを簡略化した「ネット」とは関係ありません。
グロス:ネット広告をする時トータルでかかる費用
グロス(gross)とは、インターネット広告で「広告を出稿する時にトータルでかかる費用」を指します。
英語において、grossは「総額、総計」の意味があります。
広告においては、先ほど消化したネット(広告の原価)に、広告代理店の手数料(マージン)を加えた総額です。
あなたがネット広告を出すときに、広告代理店から請求される金額はこのグロスの金額となります。
マージン:広告代理店の手数料
さて、上記で出てきた「マージン」についても触れておきます。
マージンとは、広告代理店が広告の運用を代行する際にかかる手数料です。
ネット広告を調べていると、「運用代行手数料●●%」といった表現を目にします。
この手数料◯%が、マージンに当たります。
実際にかける広告費用に対して、マージンの料率をかけて出した額が、手数料となります。
ネット、グロス、マージンの計算方法
例として、ネット、グロス、マージンの計算をしてみましょう。
ある広告代理店Aから、先月のネット広告に関して、こんな請求書が来ました。
- 手数料率20%
- 先月分の請求金額120万円(税抜)
まず請求金額120万円は、トータルでかかった費用なので、グロスです。
この代理店では、かかった広告費用の20%を手数料として請求しています。
よって、(広告費用)+(広告費用 × 20%)=120万円ですね。
あとは、数学の問題なので、広告費用を計算すると、100万円となります。
手数料(マージン)は20万円ですね。
それぞれの用語と照らし合わせると、このようになります。
- グロス金額:120万円
- ネット金額 :100万円
- マージン金額 :20万円
広告代理店によっては、最低手数料を定めているところがあります。
その場合、手数料やグロスが変わってくるので、一度確認してみるといいですね。
広告予算はネット?グロス?どちらか確認しておこう
もしあなたがWEB広告を出すときには、広告費の予算上限をネット、グロスのどちらにするか注意しておきましょう。
例えばあなたが、Google広告(旧Google AdWords)を月間広告費予算100万円で、広告代理店A社に発注したとします。
あなたの認識では、グロス(全体で)100万円で発注したつもりでした。
しかし、代理店側はネット(使う広告費)で100万円だと認識していた場合どうでしょうか?
その場合、請求書は100万円(税抜)ではなく、マージンが上乗せされた120万円(税抜)になります。
20万円分予算超過してしまうと、きっと困ってしまうはず。
こういった認識のズレが時には大きな問題に繋がることもあります。
WEB広告を発注する時は、広告代理店としっかり認識をすり合わせるようにしておきましょう。
あなたが代理店の立場なら、ネットやグロスという表現は避けることをオススメします。
その代わりに、「配信金額」「手数料を含めた請求金額」などの表現を使って、誤解を防ぐようにしておきたいですね。
まとめ
この記事では、WEB広告における「ネット」「グロス」の違いについて紹介してきました。
Web広告の業界ではネット、グロスという言葉は当たり前のように飛び交っています。
もしかしたら、今さら聞けないと感じている人もいるかも知れません。
しかし、誤って認識していると、大きなミスを生んでしまう可能性があります。
グロス(トータルの費用)=ネット(使う広告費)+ マージン(手数料)
この数式だけ、ぜひ頭の片隅に入れておいてくださいね。